B4指原くん、B4春木さん、早矢仕講師がFIT 2023にて研究発表を行いました。

2023年09月08日

早矢仕研究室 B4の指原くん、B4の春木さん、早矢仕講師が9月6日〜8日に大阪公立大学で開催している第22回情報科学技術フォーラム(FIT2023)にて研究発表を行いました。


タイトル:C2Cマーケットにおける商品の情報消化に関する実験的考察

著者:指原淳、早矢仕晃章

アブストラクト:近年、情報量の急増によって、消費者が本当に必要な情報に到達できない、また情報過多によって正しい理解が阻害されることが社会課題として顕在化してきている。本研究では、情報を如何に正しく理解できるのかという概念である情報消化に着目し、C2Cオンラインショッピングサイトにてやり取りされる商品情報の項目が消費者の情報消化に与える影響について評価する。アンケートによって得られた商品ページの各項目の情報消化に寄与する度合いごとに一対比較を行い、各項目の寄与率を分析した。得られた結果から、人々が当該商品を理解するために重視している情報及び商品の特徴による違いに関する示唆が得られた。

本研究は、株式会社メルカリR4DとRIISEとの共同研究である価値交換工学、及び科研費基盤B研究「データ流通市場のダイナミクスの解明と制度設計(20H02384)」の支援を頂きました。


タイトル:データ流通市場における取引情報の開示が価格に及ぼす影響

著者:春木佑香、早矢仕晃章

アブストラクト:近年、データを異なる事業者間で取引するデータ流通市場が登場してきている。しかし、データは購入されるほど希少性が下がり、価値が減少する可能性がある。また、データは複製が容易であるため、販売者は流通量を増やしてもコストはほとんど変わらない。そのため、他の商材と異なるデータ特有の性質や、他の購入希望者との取引状況の開示がデータの対価を決定する重要なファクタとなる可能性がある。本研究では、情報の非対称性に着目し、特性関数ゲーム理論によって求められた理論価格と被験者実験による結果から、データ販売における取引状況を他社に対して公開することが、データの価値や流通量に及ぼす影響について議論する。

本研究は、科研費基盤B研究「データ流通市場のダイナミクスの解明と制度設計(20H02384)」の支援を頂きました。


タイトル:データ形態素:データの意味表現の基本単位についての実験的考察

著者:早矢仕晃章

アブストラクト:近年、異なる組織間でデータを交換・流通・連携による価値創出が新たなイノベーションの源泉として注目されている。しかし、従来のデータ表現は実データやメタデータ、物理フォーマット等、データ構造の数理的・計算機的アプローチが主であった。そのため、バイトといったデータの“量”にフォーカスした方法では捉えられないデータの価値や、背景知識の異なる他者とのデータ交換における評価基準という“質”については十分議論されてこなかった。本研究では、データが意味を持つ基本単位であるデータ形態素を提案し、複雑ネットワークと自然言語処理を用いて数理的・計算機的に扱う方法と、実験によって得られた結果について議論する。

本研究は、科研費基盤B研究「データ流通市場のダイナミクスの解明と制度設計(20H02384)」の支援を頂きました。