早矢仕講師のCOVID-19における人・モノ接触データ分析の論文がScientific Reportsにアクセプトされました。
2022年10月28日
本研究では、COVID-19パンデミック時の人と人の接触ではなく、“人とモノの接触行動”に着目し、15種類の場所と乗り物での対策について検討しました。実験では、人が接触する物に関する情報を整理するプロトコルを作成し、2020年12月3日~7日に東京・神奈川で外出した実験参加者1260名を対象に調査を実施しました。合計7317個の物が触られ、最も多かった物はドア、椅子、カゴ、エレベータ機器、現金でした。また、スーパーマーケットは利用者数、接触物、物の種類が最も多いにもかかわらず、平均値、中央値が最も低いことが分かりました。逆に、ホテルなどの宿泊施設は平均値が最も高く、遊園地、職場、学校・大学を除いた他の場所の値より有意に高かくなりました。実験の結果、場所ごとに優先的に消毒すべき対象物を決定することが重要であることが示唆されました。このデータ及び研究結果が人の行動や物に関わる接触実態に適切に対応した感染対策につながり、一日も早いCOVID-19パンデミックの終息に寄与することを願っています。
論文:Teruaki Hayashi, Daisuke Hase, Hikaru Suenaga, Yukio Ohsawa, "Actual Conditions of Person-to-object Contact and a Proposal for Prevention Measures during the COVID-19 Pandemic," Scientific Reports, Vol.12, 18092, 2022.
URL: https://doi.org/10.1038/s41598-022-22733-9
データセット:https://www.kaggle.com/datasets/teruakihayashi/person-to-object-contact-dataset