JSAI2026にて6件の口頭発表を行いました。

2026-06-13

  • research

2026年6月8日(月)~6月12日(金)に高崎で開催された人工知能学会全国大会(JSAI2026)にて早矢仕研究室から6件の研究発表を行いました。

今回の発表では、データセット発見、異分野データ統合、企業データ基盤、サプライチェーン、ソフトウェアエコシステムといった多様な対象に対して、データの関係性や文脈をどのように捉え、AI技術による発見・推論・意思決定支援へ繋げていくのかという方法について議論しました。


タイトル:メタデータと表形式データサンプルを統合したマルチビュー融合によるデータセット類似度学習

著者:程昊陽、早矢仕晃章

本研究では、データ取引・共有環境におけるデータセット発見を支援するため、タグ、説明文、利用行動、実データサンプルという複数の観点からデータセット間の類似度を学習する手法を提案しました。Meta Kaggleを用いた実験により、複数ビューを信頼度に応じて融合することで、より頑健な類似データセット推薦が可能になることを示しました。


タイトル:グラフ信号処理に基づくソフトウェア技術の同期的トレンド分析

著者:西田真史、早矢仕晃章

本研究では、知識共有プラットフォームの技術タグ共起ネットワークを対象に、グラフ信号処理を用いて関連技術群が連動して変化する「同期的トレンド」を抽出しました。個別タグの一時的な流行ではなく、ネットワーク上でまとまりを持って成長・衰退する技術クラスタを捉えることで、ソフトウェアエコシステム全体の構造的変化を分析する視点を提示しました。


タイトル:視線計測による異分野データ統合システムの半自動化ワークフロー評価

著者:春木佑香、石倉茂、出町和也、早矢仕晃章

本研究では、異なるデータセット間のスキーママッチングやエンティティ解決において、アルゴリズムによる推薦と人間の判断を組み合わせた半自動化ワークフローを評価しました。視線計測により、推薦提示が利用者の情報探索や検証行動を変化させる可能性を示唆する結果を得ました。


タイトル:LLM-Driven Metadata Generation via Schema Matching and Semantic Profiling for Dataset Discovery

著者:Mo Chen, Teruaki Hayashi

本研究では、大規模データレイクにおけるデータセット探索を支援するため、LLMを用いた検索向けメタデータの自動生成手法を提案しました。行サンプルではなく、スキーマ情報を中心にプロファイリングすることで、検索向けに最適化された「検索向け記述(SFD)」と、人間読者のための「ユーザー向け記述(UFD)」の2つの出力を生成します。


タイトル:Semantic Twin: A Heterogeneous Multilayer Network Model for Enterprise Data Intelligence

著者:Loys Belleguie, Teruaki Hayashi, Takahiro Sanada

本研究では、企業内のメタデータ、業務データ、ビジネス知識を多層ネットワークとして統合するSemantic Twinを提案しました。Schema層、Flow層、Business層を分離し、各情報の出自、信頼度、知識状態を明示することで、AIエージェントが事実・観測シグナル・推論を区別しながら推論できる枠組みを構築しました。


タイトル:サプライチェーンネットワークを用いた企業情報の可視性と優位性のトレードオフ分析

著者:田嶋真寛、早矢仕晃章

本研究では、サプライチェーンにおけるデータ共有が全体の可視性を高める一方で、企業の情報的優位性を損なう可能性に着目しました。サプライチェーンを有向グラフとしてモデル化し、情報共有に伴う期待損失をシミュレーションした結果、単なる取引数ではなく、ネットワーク上で企業間を媒介する位置にある事業者ほど損失リスクが大きいことを示しました。